分煙や禁煙など、喫煙者にとって肩身の狭い時代になってきましたが現在アメリカでは、今話題の”電子タバコ”について様々な意見が交わされています。
今最もアメリカで人気のスタイリッシュな見た目の電子タバコは”JUUL”(ジュール)というブランドでJuul Labsから販売されているもの。人気に火がついたきっかけはやはりソーシャルメディアインンフルエンサー。
去年の売り上げは800%にも及び、アメリカ国内での電子タバコ市場の75%を占めているjuul labsの企業価値は$15 billionと言われている。そこまでに至った秘訣の一つはやはりインフルエンサーマーケティング。
そんなインフルエンサーマーケティングでの成功企業ジュールだが、10代のティーン世代にタバコやニコチンといったアイディアが広がりすぎている為、一旦ソーシャルメディアから離れざるを得なくなったようだ。しかしどのようにしてこのような嗜好品をここまで誇大広告できたのだろうか?
あるジュール使用者兼インフルエンサーはブルックリン出身のクリスティーナ30歳。2015年からインフルエンサー活動をしており、今では商品レビューなどをブログに投稿してフルタイムで生計を立てているインフルエンサー。
そして2017年の秋ジュールからのオファーがあり引き受け、その感想をブログに綴るといった案件だった。
クリスティーナはもともとスモーカーだったが、ジュールからのオファーを受けるまで電子タバコがいかに簡単で使いやすいかという事に気づかなかったようだ。また、オファーを受けた際は喫煙の事を記事にして視聴者にバッシングされないか心配だった、と続けた。
結局ブログ1ポストとインスタ投稿で1000ドル(約10万円)を受け取る約束でサインをした。初めの心配とは裏腹に、エンゲージメント数は伸び視聴者からの反響は意外にも良かったようだ。
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他のインフルエンサーマーケティングを利用した企業と同様たくさんのインフルエンサーを巻き込んでのマーケティングで成功したものの、特にライフスタイルや日常生活の一部として溶け込ませた投稿でオーディエンスを惹きつけられたのではないだろうか。
そんな大企業にまで成長した電子タバコ会社Juul Labsだが、民事起訴やアメリカ食品医薬品局の規制による壁にぶつかっている。
ヘルスエキスパート達は若者に依存性のある商品を宣伝し続け、依存させ生涯を通じての顧客にしようとしているJuul Labsのマーケティングタクティック(戦術)について批判した。
電子タバコの歴史は浅く、10、20年後どうなるかといった例がない為エキスパートは若者の電子タバコ使用による将来のリスクや、脳への影響、ニコチンプロダクトがその他のドラッグの第一歩になりかねない事から心配の声が上がっている。
また、米国食品医薬品局によれば昨年から電子タバコの使用が高校生の間では80%、中学生の間では50%増えたと言われており、その結果によりニコチンを含んだ製品の新しいソーシャルメディアでの宣伝の規制が発表された。
Juul Labsの広告担当ビクトリアによるとインフルエンサーマーケティングはもう実施しておらず、実施したソーシャルメディアマーケティングは全員28歳以上で既に喫煙者のインフルエンサーだった。とCNNに伝えた。
そしてjuulのインフルエンサープログラムとアフィリエイトプログラムは既にクローズされており、終了する数ヶ月前の時点で20人ほどのアフィリエイターしかいなかったと続けた。
誰でも何歳でも端末さえあれば覗けるソーシャルメディア。ふとした投稿で何人の、何千人の人にも行き渡りかねない今の時代は便利なようで少し奇妙だ。
企業側もインフルエンサーを使ったマーケティングには商品によっては注意が必要だが、最近の偽フォロワー騒動でアカウントを消去されている人々が多いため、インフルエンサー側も案件を絞って自分の身は自分で守るスタンスでいないとプラットフォームに潰されかねない。
自分で作り上げたアカウントなしでは仕事にならないインフルエンサーにとって報酬だけではなくスマートに決断を下していく事がこれからの生き残りに必要になるのかもしれない。