「フォロワー数が多いインフルエンサーを起用したのに、全然成果が出なかった」。インフルエンサーマーケティングに取り組む企業から、こうした相談が後を絶ちません。フォロワー数は確かにわかりやすい指標ですが、それだけで起用を判断するのは危険です。Instagramの平均エンゲージメント率は1〜3%とされていますが、マイクロインフルエンサーでは5〜7%に達するケースも珍しくありません。この記事では、フォロワー数以外に必ずチェックすべき5つの指標と、実務で使えるスコアカード方式の選定方法をお伝えします。
エンゲージメント率はフォロワー数と反比例する
インフルエンサー選定で最初に確認すべきはエンゲージメント率です。一般的にフォロワー数が増えるほどエンゲージメント率は下がる傾向にあります。100万人以上のメガインフルエンサーでは1〜2%が平均的なのに対し、1万〜10万人のマイクロインフルエンサーでは5〜7%を記録することが多いです。エンゲージメント率が高いということは、フォロワーがコンテンツに対して能動的に反応しているということ。つまり、投稿を「流し見」ではなく「しっかり見ている」ユーザーの割合が高いのです。費用対効果を重視するなら、フォロワー数よりもまずエンゲージメント率を確認しましょう。
フェイクフォロワー率を見抜く方法
業界全体で、フェイクフォロワーはアカウントの約15%を占めるとされています。お金を払って獲得した偽のフォロワーは、当然ながらコンテンツに反応しません。フェイクフォロワーの多いインフルエンサーに依頼すると、見かけのリーチは大きくても実際の効果はほぼゼロになります。確認方法としては、フォロワーの増減グラフの不自然な急増がないか、コメント内容が定型文やスパムっぽくないか、フォロワーのプロフィールに投稿がゼロのアカウントが多くないか、などをチェックします。HypeAuditorやSocial Bladeといった無料ツールも活用してみてください。
オーディエンスの質と属性を深掘りする
3つ目の指標は、オーディエンスのデモグラフィック情報です。いくらエンゲージメント率が高くても、ターゲット市場と異なる地域のフォロワーばかりでは意味がありません。たとえば日本の観光地を台湾市場にプロモーションしたいのに、フォロワーの大半がインドネシアにいるインフルエンサーを起用しても効果は限定的です。インフルエンサーにオーディエンスインサイトの共有を依頼し、フォロワーの国別分布・年齢層・性別比を確認することが重要です。この工程を省いたことで予算を無駄にしたという失敗事例は数え切れません。
コンテンツの質とブランド親和性を評価する
4つ目はコンテンツクオリティ、5つ目はブランドとの親和性です。過去の投稿を最低20件はさかのぼり、写真や動画のクオリティが安定しているか、キャプションの文章力はどうか、ブランド案件のときに「宣伝感」が強すぎないか、といった観点で評価します。実際に、ある化粧品ブランドがスコアカード方式でインフルエンサーを選定した事例では、エンゲージメント率・フェイクフォロワー率・オーディエンス適合度・コンテンツ品質・ブランド親和性の5項目をそれぞれ20点満点で採点し、合計80点以上のクリエイターのみを起用する運用にしました。結果として、以前のフォロワー数基準での選定と比較してROIが2.8倍に改善しました。
スコアカードを今日から導入する
5つの指標を毎回感覚で判断するのは属人的になりがちです。そこで、Googleスプレッドシートなどで簡易スコアカードを作成し、チーム全体で統一基準を持つことをおすすめします。各指標に重みづけを設定し(たとえばエンゲージメント率は配点を高めにする、など)、候補者を横並びで比較できるようにしましょう。とはいえ現実問題、すべての指標を完璧に満たすインフルエンサーはそう多くありません。完璧を求めるより、まずは自社にとって最も重要な指標を2つ選び、そこを重点的にチェックすることから始めてみてください。
YS Media Agencyは、Gantaleプラットフォームを運営し、海外クリエイターと日本のブランドをつないでいます。




