日本館は、まさに“生きた循環”を体感させる、木とテクノロジーが織りなす壮大な舞台でした。
取材を通じて感じたのは、会場全体を包み込む丁寧な演出と、未来を見据えたビジョンが、生の情報として胸に届く構成だったということです。
建築デザインは「いのちと、いのちの、あいだに」というテーマのもと、環のかたちをとるCLT(三層構造合板)の円環構造で設計されました。円形に重なる木の壁が築く空間は、象徴的でありながら、どこか禅の庭のように穏やか。林業文化や日本の木造技術を再認識しつつ、将来の持続可能性を感じさせる造形です。この円環構造からは、ただ美を感じるだけでなく「循環の物語」が自然と始まります。
館内は「Plant Area」「Farm Area」「Factory Area」の三層構成。
どのエリアから入るかは日によって異なるそうです。






「Plant Area」は、ごみが分解され、あらゆるいのちの源でもある水へと姿を変える流れが展示されています。
また、美しい中庭を超えた最後のエリアには火星の石が展示されており、宇宙と地球をつなげる“異質の循環”を感じさせる粋な計らいも。
こういった驚きが、展示志向の強さを決して平板にせず、観る者の感受性を豊かにかき立てます。




「Farm Area」は藻の可能性について非常によくわかる展示となっています。
世界中で愛されるキャラクター・ハローキティが藻類の姿に扮して登場しているのも日本らしさを感じさせます。



「Factory Area」は「素材」から「もの」へと変換する過程を通じて循環の輪の一部を表現。
ナビゲーターは、日本を代表するキャラクター「ドラえもん」。
ロボットアームや3Dプリンターといった機械たちが藻類が混ぜ込まれたバイオプラスチックでスツールを作成しています。
式年遷宮や五重塔についても触れ、伝統的なものづくりの凄さも紹介しています。
この日本館は、単なるパビリオンの枠を超え、これからの社会が向かうべき未来を体現し、“循環”という概念をエモーショナルかつ知的に感じさせてくれる場でした。
木と機械の共存、自然とテクノロジーが互いに寄り添いながら、観る人の心の中で互いに受け継がれていく。
大阪・関西万博の象徴として、日本館は「いのちの連鎖」を見事に描いた芸術作品と言っても過言ではありません。
大阪から日本、そして世界へ──この館がつむぐストーリーに、ぜひ現地で触れてください




